Fink をより快適に使うことができるよう、 unstable ツリーに存在するパッケージを東大 Fink チームがビルドし、独自に公開します。

(重要な注意: これは Fink Core Team の公式配布ではありません。不具合が起きてもメーリングリストなどに投稿しないでください。)

配布するのは「Distribution: 10.3」と「Distibution: 10.4」のためのバイナリパッケージで、これらは自動ビルドシステムによって日々更新されています。

このバイナリ配布を使えば、 例えば「急いで Apache 2 をインストールしたいのに、自分でコンパイルするのは面倒だよ…」という場合にも楽々インストールできますし、「お、今日新しいバージョンの KDE がリリースされたみたいだ!」というときも、パッケージのメンテナが充分にいかれていて、なおかつあなたの運がとてもいい場合は、即日 apt-get install bundle-kde できてしまうかもしれません。

これらのパッケージ使うための設定方法を以下に解説します。楽しんでください。



注意

  • 私たちの配布するバイナリパッケージは無保証です。
  • Fink Core Team の援助を受けて配布されていますが、公式の配布ではありません。苦情や設定に関する質問などで Core Team を煩わせないようにしてください。
  • お気づきの点がありましたら、この blog のエントリに対してコメントを付けてください。

私たちは 10.3 版 (PowerPC) 、 10.4 版 (PowerPC/Intel) のバイナリパッケージを準備しています。お使いの環境に合わせてお好きなように設定してください。

Mac OS X 10.4 Tiger での設定

Mac OS X 10.4 Tiger で Fink を以前からお使いの方は、まず /sw/etc/fink.conf を編集して、 Fink の使用するディストリビューションを 10.4 に設定しなおしてください。

$ grep -i Distribution /sw/etc/fink.conf
Distribution: 10.4

といっても、この操作はちょっとリスキーです。アップデートに失敗すると、 10.4 のパッケージと 10.4-Transitional のパッケージが混在する状態が発生しえます。混乱を回避するためには、今までの /sw をどこかへ退避させて新しく Fink をインストールするか、 Distribution の設定を 10.4-transitional のままにしておいて、 (たまに動かないものがあるのを覚悟して) 10.3 で作られたバイナリ配布を使うかするといいかもしれません。

fink.conf ではその他のいろいろな設定もできます。特に、 UseBinaryDist やミラーの設定が適切になされていることを確認してください。対話形式で設定を行うには、 fink configure コマンドを使うとよいでしょう。

sources.list を設定する (apt の設定)

次に、/sw/etc/apt/sources.list を編集して、ファイルの末尾に以下の2行を追加します。

deb http://fink.sodan.ecc.u-tokyo.ac.jp/apt/10.4 ecc main crypto
deb http://fink.sodan.ecc.u-tokyo.ac.jp/apt/10.4 unstable main crypto

1行目は Todai Fink Team のオリジナルのパッケージをダウンロードするための設定です。私たちの特殊なビルド環境の問題で、しばらくの間は、この行がない場合 ecc ツリーにしかないパッケージをダウンロードしようとしてエラーが出るかもしれません。とりあえずは、2行とも設定しておくことをお勧めします。

(オプション) ecc ツリーの finkinfo を得る

Todai Fink Team の使っている ecc ツリーの finkinfo ファイルを使って、自分でパッケージをソースからビルドしてみたい場合は、次のようにします。

$ cvs -d :pserver:anonymous@cvs.sourceforge.net:/cvsroot/fink login
(パスワードは空です)
$ cvs -d :pserver:anonymous@cvs.sourceforge.net:/cvsroot/fink checkout -P -d ecc experimental/todai/ecc-10.4
$ sudo mv ecc /sw/fink/dists

次に、 /sw/etc/fink.confTrees の行に ecc/mainecc/crypto を追加します。

Trees: local/main ecc/main ecc/crypto stable/main stable/crypto unstable/main unstable/crypto

実際にアップデートする

fink selfupdate することで、 Fink のデータベースを最新にすることができます。

$ fink selfupdate

この記事を書いている時点では、 10.4 stable の公式バイナリパッケージはまだ提供されていません。そのため、 apt-get が公式バイナリパッケージのデータベースを取得しようとして失敗する警告がたくさん出るかもしれません。気になる方は /sw/etc/apt/sources.list で該当行をコメントアウトしてください。

次のコマンドで、実際にアップデートします。

$ fink update-all

10.4-Transitional ディストリビューションを使っていた方は、このコマンドの実行にしばらく時間がかかると思います。不幸にも途中でアップデートが止まってしまった場合は、そのパッケージを一旦削除してでもアップデートを続けてください。不具合報告 (と、解決した場合は解決報告) はこのエントリに対して行ってください。

Mac OS X 10.3 Panther での設定

/sw/etc/apt/sources.list を編集して、ファイルの末尾に以下の2行を追加します。

deb http://fink.sodan.ecc.u-tokyo.ac.jp/apt/10.3 ecc main crypto
deb http://fink.sodan.ecc.u-tokyo.ac.jp/apt/10.3 unstable main crypto

Todai Fink Team の使っている ecc ツリーの finkinfo ファイルを使って、自分でパッケージをソースからビルドしてみたい場合は、次のようにします。

$ cvs -d :pserver:anonymous@cvs.sourceforge.net:/cvsroot/fink login
(パスワードは空です)
$ cvs -d :pserver:anonymous@cvs.sourceforge.net:/cvsroot/fink checkout -P -d ecc experimental/todai/ecc
$ sudo mv ecc /sw/fink/dists

次に、 /sw/etc/fink.confTrees の行に ecc/mainecc/crypto を追加します。

Trees: local/main ecc/main ecc/crypto stable/main stable/crypto unstable/main unstable/crypto

実際にアップデートします。

$ fink selfupdate
$ fink update-all